親戚の子が浪人生だった時に、うちに何日か来ていたことがある。
大学受験を控え、塾に通って浪人生活を送っていた。進路を聞くと・・・
「とりあえず、経済学部を受けます。」と言う。
「そっか。でも、なんで経済学部?経済とかに興味あるんだ。」
「まあ、そうですね。とりあえず・・・役に立つかなって思って」
私はその子を小学生の頃からよく知っていて、基本的には勉強は嫌い、
好きなものはアニメでそちらに関しては、お小遣いを全部使う程、好きだったようだ。
試しに聞いた。
「経済学部に行くこと自体は否定しないけど、もし行ったら当然、経済のことをメインに
専門的に勉強することになるよね。じゃあ、たとえば今、目の前にたくさんの経済関連の本が
並んでいたとするよね。それを見て、わあ、面白そう! 読みたい!って思うかな。
中身をパラパラっと見て、面白そう、さあ読むぞ!って自分は思うタイプだと思う?」
「・・・」
「思わないかも。そういう本読んだことないし・・・」
「経済学部に行ったら、毎日こういう内容の本と向き合うんだよ。
そこを考えてからそれを4年間続けられるのか、やりたいと思うのかを考えてから決めても遅くなくない?」
その子の顔は霧が晴れたような表情に変わった。
しばらくしてから、連絡が来た。
「何も考えないで大学とか言って、浪人もして、でも言われたように自分は経済なんか
やりたいわけじゃないって思いました。やっぱり好きなアニメーションの仕事をしたいので、
専門学校で技術を学ぶことにしました。」
今、その子は好きなアニメーションの仕事についている。
とても充実しているそうだ。
専門学校より大学の方が上だ!とかカッコいいとか・・・
とりあえず、このくらいの大学に行けば、かっこつくとか・・・
頭がいいから、興味がすごくあるわけじゃないけど、医学部に行くとか・・・
多くの受験生を見てきたけれど、進路決定の理由がそこか?
というケースはある。
親のために、世間的に響きがいい、すごいって言われたい・・・
意外と他人の評価を軸にして進路を選んでいる子は多い。
他人の評価は一時的。
本当は何がしたいの?
進路はちゃんと自分軸で考えよう!